郡上八幡の民宿

郡上八幡

郡上八幡は山間に開けた大きな町である。大きいが、何となく時間の流れがそこだけゆっくり流れているように感じる静かな町である。せせらぎが聞こえる。橋がある。町を走る長良川の流れである。長良川は用水路の調えられた流れに姿を変えて町の隅々にまで行き渡る。その中を悠然と鯉が水と戯れる。

水の匂いに澄んだ空気、懐かしい木の匂い。細い路地に綺麗に並ぶ町並み。柳町、稲荷町。少し離れた山の上から郡上八幡のお城が覗く。そういえば、郡上八幡はあの功名が辻の、山内一豊の妻千代の故郷だとか。こんな山間の町にも大きな歴史が流れている。縁の慈恩善寺にまた美しい庭を見る。

人々の暮らしとともにある、贅沢な時間と空間。郡上八幡は日本人のための、日本人らしい豊かな時を確かに残してくれている。

郡上八幡の民宿

一度、郡上八幡を訪れたときには民宿に泊まることを勧めたい。ホテルも悪くない。だが郡上八幡は民宿だと思う。日本人が自然とひとつにあることを望んでいたのだとしみじみ思い出させてくれる木の建物がたまらないのである。静かな、そしてとても立派な佇まいに驚くだろう。山間の贅。それが郡上八幡の民宿にある。きらびやかなのではない。いいところだと心から思える場所である。それから何より人。

郡上八幡には綺麗な人が多い。自然が育んだものか。あの長良川の美しい流れが、日々の生活と共にある用水路の澄んだ流れを思い出す。そして心。民宿に泊まると、日本人のもてなしの心をその底から感じることができる。我々忙しなき時間の中の人たちの、何よりの癒しとなる。

      

      

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